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墓石建立時の基礎知識

新たに墓を造る

供養の心

故郷を離れて都市に移住した人たちにとって、墓をどうするかは大きな問題です。

最近の墓地需要の急増ぶりには目をみはるものがありますが、自分たちの住まいさえままならぬ状態では、とても墓地にまでは手が回らないというものが現実かと思います。
たいせつなのは形ではなくて心です。どんなにりっぱな墓地を手に入れても、供養の心に乏しければ、なんの価値もありません。逆に、経済的な理由で十分なことができなくても、供養の心がこもったものであれば、そのほうがずっとすばらしいことです。

墓を新しく建てたいと思うのには、二つのケースがあります。一つは、分家(次、三男など)なので、守るべき墓を持っていないとき、もう一つは、今いる所に永住したいので、先祖の墓を移転したい場合です。

ふつう、新仏は一周忌までには納骨をすませる習慣になっていますから、もしまだおさめるべき墓がない場合は、なるべく早く、墓を建てたいものです。

墓の入手|墓地の種類と歴史

墓の起こりは、人を埋めた上に盛り土をしたものでしょう。
どれも同じ形では見分けがつかないので、石をおいたり、積み上げたりしているうちに、さまざまな形の墓ができ始めました。

権力者にとっては、権力の象徴だった墓ですが、庶民が墓を持てるようになったのは、日本では江戸時代中期以降、しかも、江戸時代の墓は、身分によって厳重な差別がありましたから、自由に墓を造れるようになったのは、明治維新後のことです。墓は、寺院の壇家制度と強く結びついて発達したため、従来は、墓地というとほとんど寺院に付属して建てられていました。

明治以降になると、寺を離れて公営、民営の霊園が造られるようになり、第二次大戦後は、霊園の占める割合が、どんどん大きくなっています。

寺院の墓地寺院に付属しているため法要などに好都合です。新しく開発されている墓地では、その寺院と違う宗旨でもかまわない場合もあります。
公営の墓地自治体の手で開発された霊園で、東京都の場合では、青山墓地、雑司ヶ谷墓地、多磨霊園などが有名ですが、募集区画数が少ないこともあって、かなり高い競争率になります。
民営の墓地公園の霊園不足を補う形で、近年、大規模な霊園が次々と開発されています。
立地条件、使用料などを考慮して、慎重に選びたいものです。
最近の霊園は、公園風に造られていて、墓地の区域は敷地の三、四割程度にとどめ、道路、広場、芝生、花壇などが明るく配置されています。

石のサンポウでも様々な霊園や寺院などと連携し、墓地霊園情報の紹介をしています。エリアや種類によって分類していますので、御覧ください。

墓地は他人に譲れない

墓は、宅地やマンションなどとは違って、買ったとはいっても、使用権を支払っただけで、土地の所有権が自分のものになるわけではありません。支払ったお金はあくまで墓地の永代使用料です。公営でも民営でも、お寺に付設したものでも、すべて同じです。

墓の祭り方

新しい墓は開眼法要を

開眼法要

墓地がととのい、墓石が建てられたら、家族のほか、親戚、親しい知人を招待して、開眼法要を営みます。
新しい墓が、ほかにどなたの遺骨も入っていなくて、初めての納骨なら、納骨式と、開眼法要とを同時に行ってもかまいません。

法要は葬儀をお願いした僧侶にお願いできればよいのですが、現状では、霊園に紹介してもらった僧侶にお願いすることも多いようです。

都合で、まず墓地だけを入手し、墓石を立てるのが遅れる場合は、そこに納骨したあと、ひとまずその上に木の墓標(角塔婆)を建てておきます。その後、本式の墓石が建った段階で、あらためて開眼供養を行います。

なお、墓石を建てる時期については四十九日とか、一周忌とかいわれていますが、建てられるなら、一日も早く建ててあげるのが、故人への供養と思われます。

開眼法要に招かれたら

開眼法要に招かれるのは、故人の兄弟など身近な近親者か、よほど親しかった友人の場合です。
お供え物として、花や線香を持参してもよいのですが、これらすでに用意されていることでしょうから、それらの料(代金)として、あるいは墓石料の一部として、現金を包んでいって供えます。金包みの水引は、不幸があったということとは違いますから、紅白でも金銀でもよく、上書きは「供養料」とか「納経料」とします。

服装については、法要とかお墓の供養というと黒の喪服と思いがちですが、喪服は喪に服するときの服装なので、この場合は適当ではありません。

墓地という場所柄を考えて、あまり華美な服装は避ける、という心構えをしたうえでの外出着と考えればよいでしょう。