ジオラマ墓石|〜故人ゆかりとなる地を墓石に〜
職人の手作業による立体彫り
故人ゆかりとなる地を墓石上にジオラマで再現した「ジオラマ墓石」。お客様の要望をお聞きし、地図を元に職人の手作業による立体彫りで再現。
北海道の阿寒岳や釧路湿原を地図を元に再現、丹頂鶴をデザインとしてあしらった雄大なモニュメントとしていままでにない新たな墓石「ジオラマ墓石」の誕生です。
ジオラマ墓石の誕生物語
出会い
今回の新企画墓石の開発の経緯からお話いたします。今回のお客様は北海道の札幌市近郊にお住まいのH様です。H様との出会いは、群馬県赤城村にある研修施設「赤城青年の家」に全国の高校教師の研修会が開催されて、そちらに来たついでに私のところに寄っていただいたのがきっかけになります。
父上が昨年他界されてそろそろ墓石も考えなくてはとお寄りくださり、参考に弊社の墓石展示場や石材の種類・加工・仕上げの方法等を見ていただいたことからになります。そのときはまだ墓地が無くこれから札幌市の市営霊園に申し込みをし抽選にて当選した場合、今後お墓を考えたいとのことでした。
お墓は誰でもそうですが初めて造るという、まったく未知のものです。墓石の主流の仏教式・思いを形の様式・納骨堂形式・個人墓等、様々な種類がある事、そして石材に至っては、世界中からの石材が使用できること、加工方法も多種に及ぶ事等を理科の研究者という観点からも様々学んで頂きました。
H様は昆虫の研究者でもあり、またミトコンドリアについても研究をされている方で御座います。群馬県にある『昆虫の森』に同行させていただき、私も昆虫の生態等を細かく勉強をさせていただきました。研究者の目は一般人と視点が違い墓石造りにも役立てる様々な勉強をさせて頂きました。自然と平和を愛し、生き物を大切にする姿勢を後世に伝承していきたいというH様の思いを感じ取る事ができました。この思いを少しでも今回のお墓造り生かせればH様の思いを形に出来ると確信いたしました。
数ヶ月経過後墓地の抽選があり札幌市霊園4㎡区画に当選し、手に入れることが出来ました。いよいよ現実のお墓造りがスタートとなりました。
その間札幌の実際に建立してある様々な新しいセンスの良いお墓をご覧になり、少しずつ今回の方向性が見えてきたようでした。
H様は仏教式でなく宗教にとらわれない思いを形にする自由形墓地を建立することにスタートの案が絞られました。
デザインのコンセプト
キーワード
1. 雄大 |
2. モニュメント |
3. 丹頂鶴 |
4. 雄阿寒岳 雌阿寒岳 |
5. 釧路湿原 |
6. 湿原に眠る |
7. 墓石 |
初めての案
*墓地全体が湿原を表現できて、墓石でなく、モニュメント。山が湿原の奥にそびえ立ち、丹頂鶴が優雅に舞う。
ジオラマ墓石の誕生となる。
ジオラマ墓石の誕生
お施主様から模型・コンセプト等を頂き、モニュメント的なもので全体を表現できるお墓を検討していただきたいというご要望から、様々な検討をした結果、釧路湿原を飛ぶ丹頂の山を立体彫りにして、湿原と鶴を影彫りにて表現し融合させて、全体を釧路湿原ジオラマにて表現する案にいたりました。『ジオラマ墓石』、今までにない新たな墓石の誕生となりました。使用石材は墓石本体はインド産クンナム・拝石花立てはノルウェー産ブルーパール・外柵は中国産G-623としました。
ジオラマ墓石提案
最終決定図
現地基礎工事
現地建て込み工事
おわりに
今回の墓石は今まで弊社も相当な数の墓石を建立させていただいて来ましたが、このような墓所全体をジオラマで表現する墓所は初めてで御座います。お施主様との打ち合わせの中から生まれた新しい墓石の表現であると思います。
今回は釧路湿原がテーマでありますが、様々なお客様のテーマに沿ったジオラマ墓石が今後出来てきたら良いなと思います。
今回の新しいコンセプトが生まれたことに感謝申し上げます。
また製作にあたり協力を頂いた弊社協力工場そして北海道に建立するということを心良くお受けいただいた、溝口石材の溝口会長様の友情に心より感謝申し上げます。誠に有難う御座いました。
株式会社 サンポウ 石材事業部 吉澤伸二
株式会社 サンポウ CADデザイン担当 石材事業部 井上 満
施工担当 溝口石材