うつろい|サンポウオリジナル墓石
移ろいの美学とモダンデザインの融合
「光景をデザインする」
墓石というボリュームはあるが平面的で表情のない直方体の無垢の石を立体的に加工することで、素材の輝きを引き立てると同時に石の凛とした存在感を際立たせる。またボリュームのある塊を多面的にカットオフするモダンデザインの手法は、サイドとの一体感をつくりだすことにもなる。
そのきりっと引き締まった静寂なるモダンなたたずまい。そして太陽の動きによるピュアな石の一瞬の輝きは時間が止まったような気分にさせ、繊細な光の叙情的な本質が宿る。
ここに人は自分を見つめ直し、「過去と向き合い、未来を見つめる。」
この光の「うつろい」は元来、空洞に霊魂が充満する瞬間を指していたのだが、そこから映像の立ち現れる瞬間を指すことになった。そしてそこに、自然をその移行の瞬間としてとらえる日本独自の美学を生み出した。
ウツロイはウツロヒ、つまり「ウツ(空)」と魂の「ヒ(はたらき)」から来ている。そこから「ウツル(移る)」が発生した。
この光景が冷たい印象とならないのは無垢の石を削りだし、石本来がもつ質感を生かしたシャープなカットラインに上品な輝きがあってこそである。それはカットされたダイヤや結晶体のイメージであり、レリーフのように豊かな表情を生む。
そこにはクールな黒がもたらす輝きの感動。シックで華やかでエレガントな黒だからこその煌めきの美がある。
この「うつろひの美学とモダンデザインの融合」をコンセプトに「光景のデザイン」をテーマとする墓石は、人が歩くにつれて石面の煌めきを変化させ表情を変えたり、太陽の動きや季節によっても新たな表情を与えていく。
ここに単なる見た目の美しさだけはなく、「石のもつ精神的な意味の美しさが生まれる。」